ベトナムコーヒーって日本のコーヒーと何が違うの?
「ベトナムコーヒーって日本のコーヒーと何が違うの?」と疑問に思っている方に向けたベトナムコーヒーについての少しお話します。
ベトナムコーヒーと日本で親しまれているコーヒーの一番のちがいはコーヒー豆の種類です。
日本で親しまれているコーヒーはアラビカ種というアフリカやブラジルの標高の高い地域で主に栽培されるコーヒー豆になります。
標高が高いため害虫などが少なく、害虫を寄せ付ための成分・カフェインの含油量が比較的少ないアラビカ種が多く栽培されています。
ベトナムはアラビカ種を栽培している地域と比較し気温も高く湿度も高いため、カフェイン含有量が多く害虫に比較的ロブスタ豆を主に栽培しています。
また焙煎したコーヒー豆の保存性を上げるため、焙煎して熱々のコーヒー豆にバターや砂糖でコーティングする独自の焙煎方法をを編み出してベトナム独特のコーヒー文化を作り上げています。
ベトナム独自の焙煎方法で作られたベトナムコーヒーは、日本で親しまれているコーヒーよりも香りが甘く・コーヒーの味が濃く・苦みがしっかりしているものが多いです。
最近ではスーパーなどで見かけるコーヒーの原材料をみるとベトナム産のコーヒー豆を使ってるものも多いのでよかったらコーヒーを買う際にみてみてください。
ロブスタ豆の歴史
ロブスタ豆の歴史は、アフリカの熱帯雨林から始まります。ロブスタ豆は、西アフリカのコンゴ盆地(現在のコンゴ民主共和国とウガンダ周辺)で発見されました。
この地域は、ロブスタ豆が自然に育つのに最適な気候と土地を持っています。名前の「ロブスタ」は、「強い」を意味する英語の「robust」から来ており、病害虫に強く育てやすい特徴を表しています。
19世紀後半、ヨーロッパの植民地主義者たちがロブスタ豆を発見し、その栽培を広めました。アフリカから始まり、ロブスタ豆はインドネシア、インド、ベトナムなどのアジア諸国に伝わりました。
これらの国々は、ロブスタ豆が成長するのに適した気候を持っていたため、すぐにロブスタ豆の栽培が広まりました。
特にベトナムでは、ロブスタ豆の栽培が大成功を収めました。フランス植民地時代に、フランス人がベトナムにコーヒー栽培を持ち込みました。(なのでベトナムコーヒー専用ドリッパーはフレンチプレスによく似た構造です)
ベトナムの気候や土壌がロブスタ豆に適していたため、20世紀後半にはベトナムは世界有数のロブスタコーヒー生産国となりました。
現在、ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国で、その多くがロブスタ豆です。
栽培コストがアラビカ種より控えめでお手頃価格で楽しめるイメージがあったベトナムコーヒーですが、近年エルニーニョ現象や猛暑や干ばつなど天候不順が続き、不作となっているためはコーヒー豆の価格が高騰しています。
世界規模の異常気象が早くおさまるといいですね。